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不動産の取得日や譲渡日には2通りあります!
大阪で税理士事務所・公認会計士事務所として開業している公認会計士大里眞司事務所です。
個人が不動産を売却した場合、譲渡所得が発生すれば所得税等や住民税がかかりますが、一定の要件を満たせば特別控除や軽減税率が適用されます。
また、一定の居住用不動産を売却して譲渡損失が発生した場合、他の所得と損益通算や繰越控除が適用できます。
この場合に要件の1つとして重要となるのが、不動産の所有期間です。
不動産の所有期間とは取得日から譲渡年の属する年の1月1日までの期間です。
それでは、取得日や譲渡日はどのように決まるのでしょうか。
不動産の取得日や譲渡日は原則として引渡しの日です。
但し、選択により契約の効力発生の日(契約日)も認められています(所得税基本通達36-12)。
■所有期間が微妙なケース
不動産を売却し売却益が発生した場合、譲渡所得に対して、短期所有(5年以下の所有期間)ケースでは全体で39.63%の税金がかかりますが、長期所有(5年超の場合)のケースでは20.315%の税金で済みます。
例えば、下記の取得日と譲渡日の場合、引渡日と譲渡日のどの組合せを選択するのが有利となるでしょうか。
取得日:①契約日:25年12月20日
②引渡日:平成26年1月10日
譲渡日:③契約日:30年12月20日
④引渡日:平成31年1月10日
1.①と③の場合
所有期間は5年以下となりますので約40%の税率が適用されます。
2.①と④の場合
所有期間は5年超となりますので約20%の税率が適用され有利となります。
3.②と③の場合
4.②と④の場合
従って、2の組合せの選択が有利となります。
但し、どの組合せを選択しても税務上誤りとはなりません。
あくまですべて認められるものの中からの選択となり、一旦、うっかり2以外の選択をして確定申告してしまった場合は、後日2の選択をした方が有利であることに気が付いても更正の請求は認められませんので留意が必要です。
尚、農地の場合、青田買い(未完成建物)の場合、手付金を支払っていない場合などは別途考慮すべき点もあり単純に取得日や譲渡日の判定はできませんので留意が必要です。
■不動産譲渡者が売買契約後不動産引渡日の前日までに死亡した場合
通常、不動産譲渡者が売買契約時手付金を受け取っている場合は契約が成立しますので、相続対象となる財産が所有権移転登記前で残代金が未収でも不動産ではなく売却代金(未収入金)が相続財産として取り扱われます。
それでは、所得税の計算上も、不動産の譲渡は被相続人(死亡した人)の譲渡となるのでしょうか。
所得税と相続税は別々に考えるため、相続税では不動産を譲渡済みと取り扱われても、譲渡所得については先述の通り、契約日か引渡日の選択となります。
上記事例で不動産譲渡者が平成30年12月25日に死亡した場合は下記の通りとなります。
尚、被相続人の譲渡所得として取り扱う場合は、死亡後4ケ月以内に準確定申告が必要となります。
被相続人の譲渡所得となり所有期間は5年以下となりますので約30%の所得税率等が適用されます。
尚、平成31年1月1日にはいないため住民税はかかりません。
相続人の譲渡所得となり所有期間は5年超となりますので全体で約20%の税率が適用されますので有利となります。
相続人の譲渡所得となり所有期間は5年以下となりますので全体で約40%の税率が適用されます。
上記は一般土地の場合を前提としております。
居住用財産の場合は3000万円の特別控除が認められるケースもあり、2の選択方法が一番良いとは一概には言えませんので留意が必要です。
特に、相続人が被相続人と別居していた場合には、相続人は原則として3000万円の特別控除は適用できませんので1や3のケースが有利となることもあります。
尚、被相続人の譲渡として取り扱う場合は、相続税の課税価格の計算上、課税される所得税等を債務控除できます。
相続人の譲渡として取り扱う場合は、一定の要件を満たせば不動産譲渡所得の計算上、相続税の取得費加算の特例が適用できますので留意が必要です。
21/06/01
21/04/21
大阪で税理士事務所・公認会計士事務所として開業している公認会計士大里眞司事務所です。
個人が不動産を売却した場合、譲渡所得が発生すれば所得税等や住民税がかかりますが、一定の要件を満たせば特別控除や軽減税率が適用されます。
また、一定の居住用不動産を売却して譲渡損失が発生した場合、他の所得と損益通算や繰越控除が適用できます。
この場合に要件の1つとして重要となるのが、不動産の所有期間です。
不動産の所有期間とは取得日から譲渡年の属する年の1月1日までの期間です。
それでは、取得日や譲渡日はどのように決まるのでしょうか。
不動産の取得日や譲渡日は原則として引渡しの日です。
但し、選択により契約の効力発生の日(契約日)も認められています(所得税基本通達36-12)。
■所有期間が微妙なケース
不動産を売却し売却益が発生した場合、譲渡所得に対して、短期所有(5年以下の所有期間)ケースでは全体で39.63%の税金がかかりますが、長期所有(5年超の場合)のケースでは20.315%の税金で済みます。
例えば、下記の取得日と譲渡日の場合、引渡日と譲渡日のどの組合せを選択するのが有利となるでしょうか。
取得日:①契約日:25年12月20日
②引渡日:平成26年1月10日
譲渡日:③契約日:30年12月20日
④引渡日:平成31年1月10日
1.①と③の場合
所有期間は5年以下となりますので約40%の税率が適用されます。
2.①と④の場合
所有期間は5年超となりますので約20%の税率が適用され有利となります。
3.②と③の場合
所有期間は5年以下となりますので約40%の税率が適用されます。
4.②と④の場合
所有期間は5年以下となりますので約40%の税率が適用されます。
従って、2の組合せの選択が有利となります。
但し、どの組合せを選択しても税務上誤りとはなりません。
あくまですべて認められるものの中からの選択となり、一旦、うっかり2以外の選択をして確定申告してしまった場合は、後日2の選択をした方が有利であることに気が付いても更正の請求は認められませんので留意が必要です。
尚、農地の場合、青田買い(未完成建物)の場合、手付金を支払っていない場合などは別途考慮すべき点もあり単純に取得日や譲渡日の判定はできませんので留意が必要です。
■不動産譲渡者が売買契約後不動産引渡日の前日までに死亡した場合
通常、不動産譲渡者が売買契約時手付金を受け取っている場合は契約が成立しますので、相続対象となる財産が所有権移転登記前で残代金が未収でも不動産ではなく売却代金(未収入金)が相続財産として取り扱われます。
それでは、所得税の計算上も、不動産の譲渡は被相続人(死亡した人)の譲渡となるのでしょうか。
所得税と相続税は別々に考えるため、相続税では不動産を譲渡済みと取り扱われても、譲渡所得については先述の通り、契約日か引渡日の選択となります。
上記事例で不動産譲渡者が平成30年12月25日に死亡した場合は下記の通りとなります。
尚、被相続人の譲渡所得として取り扱う場合は、死亡後4ケ月以内に準確定申告が必要となります。
1.①と③の場合
被相続人の譲渡所得となり所有期間は5年以下となりますので約30%の所得税率等が適用されます。
尚、平成31年1月1日にはいないため住民税はかかりません。
2.①と④の場合
相続人の譲渡所得となり所有期間は5年超となりますので全体で約20%の税率が適用されますので有利となります。
3.②と③の場合
被相続人の譲渡所得となり所有期間は5年以下となりますので約30%の所得税率等が適用されます。
尚、平成31年1月1日にはいないため住民税はかかりません。
4.②と④の場合
相続人の譲渡所得となり所有期間は5年以下となりますので全体で約40%の税率が適用されます。
上記は一般土地の場合を前提としております。
居住用財産の場合は3000万円の特別控除が認められるケースもあり、2の選択方法が一番良いとは一概には言えませんので留意が必要です。
特に、相続人が被相続人と別居していた場合には、相続人は原則として3000万円の特別控除は適用できませんので1や3のケースが有利となることもあります。
尚、被相続人の譲渡として取り扱う場合は、相続税の課税価格の計算上、課税される所得税等を債務控除できます。
相続人の譲渡として取り扱う場合は、一定の要件を満たせば不動産譲渡所得の計算上、相続税の取得費加算の特例が適用できますので留意が必要です。
住所:〒573-1111 大阪府枚方市楠葉朝日3-11-8
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営業時間:9:00~18:00 定休日:土・日・祝