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中小企業でも法人税申告書の提出期限の延長は可能か?
大阪で税理士事務所・公認会計士事務所として開業している公認会計士大里眞司事務所です。
法人は通常、事業年度終了の日の翌日から2ケ月以内に所轄税務署に法人税申告書を提出しなければなりません。
但し、会計監査人を置く株式会社は定款の定めに基づき法人税の申告期限を最長4ケ月まで延長が認められています(法人税法75の2条1項1号)。
改正により4ケ月に延長されましたが、定時株主総会を1ケ月超延長することは定款で定時株主総会開催日だけでなく基準日(会社法第124条第2項)の変更も必要なことから、従来通り1ケ月延長している会社がほとんどと思われます。
会社法上会計監査人を置かなければならない会社は監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社又は大会社(資本金5億円以上又は負債総額200億円以上の会社)です(会社法第327条5項、第328条)が、これ以外の会社も定款の定めにより会計監査人を置くことは可能です(会社法第326条2項)。
■中小企業の法人税申告書の提出期限の延長
それでは、上記以外の会社でも法人税の申告期限の延長が可能な場合はあるでしょうか。
答えはあります。
定款等で定時株主総会の開催日を事業年度末日後3ケ月以内の日までと定めた場合(法人税法第75条の2第1項)です。
現在、定款等で定時株主総会の開催日が2ケ月以内の日までとなっている場合は、株主総会の特別決議(発行済株式総数の過半数を有する株主を定足数とし、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成による決議)により、定時株主総会の開催日を3ケ月以内の日まで変更する必要があります。
決算は定時株主総会で確定しますので、このような定めのある会社は事業年度末日後2ケ月以内に決算が確定しなくなるため法人税の申告期限の1ケ月延長が認められます。
■申請手続き
延長申請をして承認を受けなければ申告期限を延長できませんので留意が必要です。
具体的には、「申告期限の延長の特例の申請書」を定款の写しを添付の上、最初に適用を受けようとする事業年度終了の日までに所轄税務署に提出します。
承認を受けていないのに事業年度終了日の翌日から2ケ月経過日後に申告納付すると期限後申告となり無申告加算税や延滞税が課せられますので留意が必要です。
法人住民税や法人事業税についても同様に延長申請が必要ですが、様式や提出期限は都道府県や市町村により多少異なります。通常は法人税の延長申請と同じ日に提出しておけば問題ありません。
■税金の納付
延長申請をしても、納付期限は延長されませんので留意が必要です。2ケ月以内に見込納付を行い、不足額があれば差額を3ケ月以内に納付します。この場合は、利子税がかかりますが損金算入可能です。
見込納付額の方が確定税額より多い場合は後日還付されます。
■消費税の申告期限の延長はできるか?
消費税は申告期限の延長制度がないため延長できませんので留意が必要です。
他の税金と同様に、うっかり事業年度終了の日の翌日から2ケ月経過日後に申告納付すると期限後申告となり無申告加算税や延滞税が課せられますので留意が必要です。
■連結納税を採用している場合
連結納税を採用している法人は、延長申請すれば2ケ月(最長4ケ月)延長が認められますが、連結納税採用前の個別申告時代に延長申請をしていても別途、連結納税の延長の申請をする必要があります。
延長申請書の申請期限は個別納税申告の場合と異なり、その適用を受けようとする連結事業年度終了の日の翌日から45日以内ですので留意が必要です。
また、都道府県及び市町村に対しても延長申請が必要ですが、やはり各都道府県や市町村により様式や提出期限が異なります。
尚、連結納税の延長申請が承認されたときに、単体申告時代の延長申請は無効となってしまいますので、連結グループから離脱して個別申告に戻るとき場合には、改めて申請書を提出して承認を受けなければ申告期限の延長はできませんので留意が必要です。
■災害等を被った場合
災害等納税者の責めに帰さないやむを得ない理由により申告納付等ができないと認められるときは、災害等がが止んだ日から2ケ月以内に限り申告期限の延長が認められます(国税通則法第11条、国税通則法施行令第3条)。この場合は消費税も延長されます。
この場合は地域指定による期限延長、対象者指定による期限延長、個別指定による期限延長の3種類があります。
このうち地域指定の場合は、大規模で広域に及ぶ災害であるため国税庁長官が地域と申告期限を定めて官報に掲載しますので特に税務署に申告期限を延長申請する必要はありません。
また、申告等に係る国税庁の運用システムが申告等の期限間際に使用不能になった場合など納税者の責めに帰さないやむを得ない理由により申告納付等ができない者が多数に上ると認められるときも国税庁長官が対象者の範囲と期限を定めて官報に掲載しますので特に税務署に申告期限を延長申請する必要はありません。
但し、個別指定の場合は災害等が止んだ後相当の期間内に税務署に申告期限を延長申請する必要があります。
尚、個別指定の場合以外の災害の場合は、その適用を受けようとする事業年度終了日の翌日から45日以内に税務署に申告期限を延長申請する必要があります。
21/06/01
21/04/21
大阪で税理士事務所・公認会計士事務所として開業している公認会計士大里眞司事務所です。
法人は通常、事業年度終了の日の翌日から2ケ月以内に所轄税務署に法人税申告書を提出しなければなりません。
但し、会計監査人を置く株式会社は定款の定めに基づき法人税の申告期限を最長4ケ月まで延長が認められています(法人税法75の2条1項1号)。
改正により4ケ月に延長されましたが、定時株主総会を1ケ月超延長することは定款で定時株主総会開催日だけでなく基準日(会社法第124条第2項)の変更も必要なことから、従来通り1ケ月延長している会社がほとんどと思われます。
会社法上会計監査人を置かなければならない会社は監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社又は大会社(資本金5億円以上又は負債総額200億円以上の会社)です(会社法第327条5項、第328条)が、これ以外の会社も定款の定めにより会計監査人を置くことは可能です(会社法第326条2項)。
■中小企業の法人税申告書の提出期限の延長
それでは、上記以外の会社でも法人税の申告期限の延長が可能な場合はあるでしょうか。
答えはあります。
定款等で定時株主総会の開催日を事業年度末日後3ケ月以内の日までと定めた場合(法人税法第75条の2第1項)です。
現在、定款等で定時株主総会の開催日が2ケ月以内の日までとなっている場合は、株主総会の特別決議(発行済株式総数の過半数を有する株主を定足数とし、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成による決議)により、定時株主総会の開催日を3ケ月以内の日まで変更する必要があります。
決算は定時株主総会で確定しますので、このような定めのある会社は事業年度末日後2ケ月以内に決算が確定しなくなるため法人税の申告期限の1ケ月延長が認められます。
■申請手続き
延長申請をして承認を受けなければ申告期限を延長できませんので留意が必要です。
具体的には、「申告期限の延長の特例の申請書」を定款の写しを添付の上、最初に適用を受けようとする事業年度終了の日までに所轄税務署に提出します。
承認を受けていないのに事業年度終了日の翌日から2ケ月経過日後に申告納付すると期限後申告となり無申告加算税や延滞税が課せられますので留意が必要です。
法人住民税や法人事業税についても同様に延長申請が必要ですが、様式や提出期限は都道府県や市町村により多少異なります。通常は法人税の延長申請と同じ日に提出しておけば問題ありません。
■税金の納付
延長申請をしても、納付期限は延長されませんので留意が必要です。2ケ月以内に見込納付を行い、不足額があれば差額を3ケ月以内に納付します。この場合は、利子税がかかりますが損金算入可能です。
見込納付額の方が確定税額より多い場合は後日還付されます。
■消費税の申告期限の延長はできるか?
消費税は申告期限の延長制度がないため延長できませんので留意が必要です。
他の税金と同様に、うっかり事業年度終了の日の翌日から2ケ月経過日後に申告納付すると期限後申告となり無申告加算税や延滞税が課せられますので留意が必要です。
■連結納税を採用している場合
連結納税を採用している法人は、延長申請すれば2ケ月(最長4ケ月)延長が認められますが、連結納税採用前の個別申告時代に延長申請をしていても別途、連結納税の延長の申請をする必要があります。
延長申請書の申請期限は個別納税申告の場合と異なり、その適用を受けようとする連結事業年度終了の日の翌日から45日以内ですので留意が必要です。
また、都道府県及び市町村に対しても延長申請が必要ですが、やはり各都道府県や市町村により様式や提出期限が異なります。
尚、連結納税の延長申請が承認されたときに、単体申告時代の延長申請は無効となってしまいますので、連結グループから離脱して個別申告に戻るとき場合には、改めて申請書を提出して承認を受けなければ申告期限の延長はできませんので留意が必要です。
■災害等を被った場合
災害等納税者の責めに帰さないやむを得ない理由により申告納付等ができないと認められるときは、災害等がが止んだ日から2ケ月以内に限り申告期限の延長が認められます(国税通則法第11条、国税通則法施行令第3条)。この場合は消費税も延長されます。
この場合は地域指定による期限延長、対象者指定による期限延長、個別指定による期限延長の3種類があります。
このうち地域指定の場合は、大規模で広域に及ぶ災害であるため国税庁長官が地域と申告期限を定めて官報に掲載しますので特に税務署に申告期限を延長申請する必要はありません。
また、申告等に係る国税庁の運用システムが申告等の期限間際に使用不能になった場合など納税者の責めに帰さないやむを得ない理由により申告納付等ができない者が多数に上ると認められるときも国税庁長官が対象者の範囲と期限を定めて官報に掲載しますので特に税務署に申告期限を延長申請する必要はありません。
但し、個別指定の場合は災害等が止んだ後相当の期間内に税務署に申告期限を延長申請する必要があります。
尚、個別指定の場合以外の災害の場合は、その適用を受けようとする事業年度終了日の翌日から45日以内に税務署に申告期限を延長申請する必要があります。
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