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法人税の税務上の優遇措置はすべて期末資本金で決まるか?
大阪で税理士事務所・公認会計士事務所として開業している公認会計士大里眞司事務所です。
法人税法上の中小法人等(資本金5億円以上の大法人に完全支配(100%)されている場合を除く)は下記の優遇措置があります。
租税特別措置法上の中小企業者等は下記の優遇措置があります。
これらの優遇措置は、期末時の資本金で決まるのでしょうか。
基本的にはそうですが、必ずしもそうではありません。
法人税法上の中小法人等の優遇措置は期末時の資本金で決まります(通常は各条文に「各事業年度終了の時において」などと記載されています)が、租税特別措置法上の中小企業者等の優遇措置のうち、設備投資に関するもの、すなわち、中小企業投資促進税制(例えば、機械等を取得した場合の特別償却や税額控除(この場合は資本金3000万円以下)など)や少額減価償却資産の特例は、適用対象資産を取得して事業の用に供した期間に中小企業者である必要があります。
従って、期中に増資や減資した場合は留意が必要になります。
例えば、3月末決算の普通法人が7月1日に増資して資本金が1億円以下から1億円超になった場合、4月1日から6月30日までは中小企業者等に該当しますが、7月1日から3月31日までは大規模法人に該当することとなるため、6月に少額減価償却資産を200万円取得した場合はその特例を受けることができますが、7月に少額減価償却資産を200万円取得した場合はその特例を受けることができません。
即ち、期末資本金は1億円超でも一部(中小企業者等であった期間)は特例が認められます。
尚、交際費等の800万円定額控除(租税特別措置法61条の4第2項)は、期中に増資して期末資本金が1億円超になり大法人に該当することとなった場合は、適用できません。
余談ですが、令和3年3月期からは、資本金100億円以上の法人は、外部との接待飲食費の50%損金算入の特例は適用できなくなりましたので留意が必要です。
また、資本金1億円以下でも中小企業者等に該当しないケース(下記の場合)は多くあるため判定はさらに複雑です。
それでは、先述の少額減価償却資産の特例については、資産の取得時の現況で判定することとなっているため、期を通して資本金1億円以下であっても、取得時たまたま従業員数1000人超であれば適用できなくなるのでしょうか。
実は、この場合でも事務負担に配慮して期末時の従業員数1000人以下であればその特例を認めることとされています(租税特別措置法関係通達67の5―1)。
21/06/01
21/04/21
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法人税法上の中小法人等(資本金5億円以上の大法人に完全支配(100%)されている場合を除く)は下記の優遇措置があります。
租税特別措置法上の中小企業者等は下記の優遇措置があります。
これらの優遇措置は、期末時の資本金で決まるのでしょうか。
基本的にはそうですが、必ずしもそうではありません。
法人税法上の中小法人等の優遇措置は期末時の資本金で決まります(通常は各条文に「各事業年度終了の時において」などと記載されています)が、租税特別措置法上の中小企業者等の優遇措置のうち、設備投資に関するもの、すなわち、中小企業投資促進税制(例えば、機械等を取得した場合の特別償却や税額控除(この場合は資本金3000万円以下)など)や少額減価償却資産の特例は、適用対象資産を取得して事業の用に供した期間に中小企業者である必要があります。
従って、期中に増資や減資した場合は留意が必要になります。
例えば、3月末決算の普通法人が7月1日に増資して資本金が1億円以下から1億円超になった場合、4月1日から6月30日までは中小企業者等に該当しますが、7月1日から3月31日までは大規模法人に該当することとなるため、6月に少額減価償却資産を200万円取得した場合はその特例を受けることができますが、7月に少額減価償却資産を200万円取得した場合はその特例を受けることができません。
即ち、期末資本金は1億円超でも一部(中小企業者等であった期間)は特例が認められます。
尚、交際費等の800万円定額控除(租税特別措置法61条の4第2項)は、期中に増資して期末資本金が1億円超になり大法人に該当することとなった場合は、適用できません。
余談ですが、令和3年3月期からは、資本金100億円以上の法人は、外部との接待飲食費の50%損金算入の特例は適用できなくなりましたので留意が必要です。
また、資本金1億円以下でも中小企業者等に該当しないケース(下記の場合)は多くあるため判定はさらに複雑です。
それでは、先述の少額減価償却資産の特例については、資産の取得時の現況で判定することとなっているため、期を通して資本金1億円以下であっても、取得時たまたま従業員数1000人超であれば適用できなくなるのでしょうか。
実は、この場合でも事務負担に配慮して期末時の従業員数1000人以下であればその特例を認めることとされています(租税特別措置法関係通達67の5―1)。
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