貸倒損失と貸倒引当金とでは支払手形の取扱いが異なります!

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貸倒損失と貸倒引当金とでは支払手形の取扱いが異なります!

法人税

2018/11/19 貸倒損失と貸倒引当金とでは支払手形の取扱いが異なります!

大阪で税理士事務所・公認会計士事務所として開業している公認会計士大里眞司事務所です。

 

税務上、実質基準の個別貸倒引当金繰入限度額を計算する場合に「実質的に債権とみられない部分の金額」を、一括貸倒引当金繰入限度額を計算する場合に「実質的に債権とみられないものの金額」をそれぞれ算定する必要があります。

よく似た用語ですが、「部分」と「もの」で差異があります。

 

「実質的に債権とみられない部分の金額」も「実質的に債権とみられないものの金額」も取引先ごとに債権残高と債務残高のうちどちらか少ない金額を集計したものですが、債権と相殺することにより貸倒リスクのない部分のため貸倒引当金対象金額から控除される金額のことです。

 

それでは、当社が不良債権となった取引先に支払手形を発行していた場合、これらの金額の計算上その支払手形はどのように取り扱われるでしょうか。

 

■実質基準の個別貸倒引当金の場合

当社が取引相手に振り出した支払手形は取引相手にとっては受取手形であり、割引や裏書により既に第三者に流れている可能性が高いため、支払手形は「実質的に債権とみられない部分の金額」に含められておりません(法人税基本通達11-2-9)。

 

■一括貸倒引当金の場合

「実質的に債権とみられない金額」とは、債権と相殺適状の関係にあるものだけではなく、債権と相殺的な性格を持つもの及び相互に融資しているものも含むとされているため、支払手形も「実質的に債権とみられないものの金額」に含めます(租税特別措置法通達579-1)。

 

従って、同じ貸倒引当金でも実質基準の個別貸倒引当金と一括貸倒引当金とでは、「実質的に債権とみられない部分の金額」と「実質的に債権とみられないものの金額」の計算上支払手形の取扱いが異なることに留意が必要です。

 

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