満期保険金を受け取った場合、確定申告は必要か?

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満期保険金を受け取った場合、確定申告は必要か?

2019年

2019/01/25 満期保険金を受け取った場合、確定申告は必要か?

大阪で税理士事務所・公認会計士事務所として開業している公認会計士大里眞司事務所です。

 

そろそろ確定申告の準備を考えなければならない季節となりました。

 

自分が過去に保険料を支払い、満期保険金を受け取った場合は、所得税区分は一時所得となります。

 

一時所得は各種所得の計算上、収入金額―必要経費―50万円(特別控除)で算定されますが、最終的には課税所得の計算上、他の所得と損益通算後の残額の1/2(以下、課税所得ベースの一時所得を一時所得)で算定されます。

 

但し、サラリーマンや公的年金等の受給者の場合は、満期保険金を受け取っても少額不追及として所得税が申告不要となる場合があります。尚、この場合でも、市役所等には住民税の申告をすることになります。

 

尚、他人(夫など)が過去に保険料を支払い、自分が満期保険金を受け取った場合は、所得税(一時所得)ではなく贈与税の対象となりますのでご留意ください。

 

■年末調整を受けたサラリーマンの場合

給与以外の所得が満期保険金のみで、上記算式で求めた一時所得が20万円以下の場合は所得税の確定申告は不要です。

例えば、受取保険金200万円、必要経費110万円の場合、一時所得は20万円になります。

 

確定申告が必要となるのは一時所得が20万円を超える場合です。

具体的には(受取保険金―必要経費)が90万円を超える場合です。

 

尚、サラリーマンが医療費控除や寄付金控除を適用して所得税の還付を受けるために確定申告する場合、上記の満期保険金を受け取っているときはたとえ一時所得が20万円以下でもその一時所得を確定申告に含めなければなりませんのでご留意ください。

 

すなわち、この場合は申告不要(一時所得は課税なしで医療費控除等はあきらめる)とするか、全て申告(一時所得は課税されるが医療費控除等は受ける)するかの選択となりますので、一度税金の計算をしてみなければどちらが有利になるか否かはわかりません。

 

■公的年金等を受け取る年金生活者の場合

公的年金等以外の所得が満期保険金のみで、上記算式で求めた一時所得が20万円以下の場合は上記のサラリーマンと同様所得税の確定申告は不要です。

 

■サラリーマンや公的年金受給者以外の場合

所得の合計額が基礎控除その他の所得控除の合計額を超え、かつ、算出税額が配当控除額の額を超える場合

に該当しない方は申告不要です。

すなわち、税額が少しでも発生すれば所得税の確定申告をしなければなりません。

 

事業所得者や不動産所得者は通常確定申告することになりますので、一時所得が少し(収入金額―必要経費が50万円超)でもあれば、申告書に一時所得を記載する必要があります。

先述のような20万円基準はありませんので留意が必要です。

 

ところで、基礎控除以外に所得控除のない専業主婦の方が下記の満期保険金(所得はこれのみ)を受け取った場合、課税所得金額はいくらになるでしょうか。

 

・保険金収入金額が400万円

・必要経費(保険料)が150万円

 

一時所得は下記の通りです。

(400万円―150万円―50万円)×1/2=100万円

課税所得金額は100万円―38万円=62万円となり、確定申告が必要となります。

 

この場合、合計所得金額1000万円以下の夫でも配偶者控除を受けられなくなりますので留意が必要です。

但し、配偶者特別控除の適用はあります。

尚、平成30年度からは配偶者控除及び配偶者特別控除は税制改正されていますのでご留意ください。

 

それでは、この専業主婦の方が生命保険金を受け取った場合に所得税の確定申告が不要となる場合はどのような場合でしょうか。

 

一時所得が38万円以下の場合です。

具体的には(受取保険金収入―必要経費)が126万円以下である場合です。この低金利の時代ではまれなケースと思います。

 

尚、平成32年(2020年)以降は基礎控除が48万円になります。

従って、上記と同様の専業主婦の場合、(受取保険金収入―必要経費)が146万円以下であれば所得税は申告不要となります。

 

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