租税条約と国内税法との関係

公認会計士大里眞司事務所

072-845-4429

営業時間 9:00~18:00 定休日 土・日・祝

トップイラスト

租税条約と国内税法との関係

源泉所得税

2018/08/24 租税条約と国内税法との関係

大阪で税理士事務所・公認会計士事務所として開業している公認会計士大里眞司事務所です。

 

租税条約とは所得に関する租税の国際的二重課税の排除、脱税等の防止、投資・経済交流の促進等のために他国や地域との間で締結される条約であり、日本は平成30年8月1日現在、68か国・地域と57本の租税条約を締結しています。

 

これは定期的に財務省のホームページで下記の通り公表されています。

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/182.pdf

 

日本の所得税法や法人税法で定める国内源泉所得と租税条約で定める国内源泉所得が異なる場合は、租税条約が優先し、租税条約で定める所得源泉地により国内源泉所得が決まり、租税条約で決められた限度税率が、日本の源泉所得税率より低い場合は、その限度税率が優先されます。

 

従って、日本の法人が外国法人に著作権の使用料や利息等の支払いのため源泉徴収を行う場合、日本の法人税法等だけでなく当該国や地域との間の租税条約を見る必要があります。

 

通常、20.42%の源泉所得税を納めるところ、租税条約により免税になったり、低い税率の源泉所得税になります。

また、短期滞在者免税(183日ルール)も租税条約上の取扱いとなっています。

 

■租税条約の適用を受けるための手続き

例えば外国法人である非居住者が日本において日本法人と国内源泉所得を生じる取引を行う場合、外国法人が租税条約の適用を受けるためには「租税条約に関する届出書」をその支払い日の前日までに、日本の源泉徴収義務者である日本の法人を経由して、日本の法人の所轄税務署長に提出しなければなりません。

 

また、特典制限条項の適用がある場合には、上記届出書に特典制限条項に関する付表及び居住者証明書を添付する必要があります。

 

これは取引相手国にペーパーカンパニーを設立して不当に租税条約の特典を受けることを防止するために設けられています。

 

尚、逆に日本法人が海外で外国法人に対して国外源泉所得を生じる取引を行う場合、同様の手続きを現地の税制に従い行う必要があります。

 

■租税条約に関する届出書等の提出が遅れた場合、誤って国内法の源泉税率で源泉徴収をした場合の手続き

租税条約に関する届出書等の提出が遅れた場合や租税条約の存在を失念した場合は、一旦、国内法による源泉所得税率により源泉徴収の上納付し、後日「租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求書」を日本の源泉徴収義務者である日本の法人を経由して、日本の法人の所轄税務署長に提出することにより還付されます。

 

尚、租税条約に関する還付は、原則として、源泉徴収義務者を経由することなく、外国法人に直接還付されます。

 

呼びかけている男性のイラスト

 

公認会計士大里眞司事務所
住所:〒573-1111 大阪府枚方市楠葉朝日3-11-8
TEL:072-845-4429
営業時間:9:00~18:00 定休日:土・日・祝