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営業時間 9:00~18:00 定休日 土・日・祝
のれん等調整額って何?
大阪で税理士事務所・公認会計士事務所として開業している公認会計士大里眞司事務所です。
法人は分配可能額の範囲内で剰余金の配当や自己株式の取得をすることができます。
この分配可能額の計算上、のれんや繰延資産がある場合控除する額を計算するために使用されるものが「のれん等調整額」です。
以前の商法も3つの繰延資産(開業費・開発費・試験研究費)のうち法定準備金を超える金額が配当可能利益の計算上控除されていましたが、のれんは計上できる場合が限定され資産性があるものとして控除対象にされていませんでした。
会社法では全ての繰延資産は資産性がなく、基本的には分配可能額から控除すべきという考え方です。
のれんは計上できる場合が以前より広くなり、それ自体単独では換価可能性がなく資産性があいまいで、日本では費用化されるものですので、基本的には分配可能額から控除すべきという考え方と、他方でのれんは将来の収益により回収可能な部分が含まれていることも否定できないという考え方もあり議論の末、のれん×1/2+繰延資産をのれん等調整額とし、控除額は一律ではなくケースにより算定式が異なるように落ち着いたようです。従って、会社法制定後は控除額の範囲が増加しております。
そのため、控除額のケース判定と控除額の計算は下記の通り複雑となっています。
■のれん、繰延資産がある場合の分配可能額の計算上控除する金額(会社計算規則第158条1号)
まず、のれん等調整額、資本等金額を計算します。
のれん等調整額=のれん×1/2+繰延資産
資本等金額=資本金の額+準備金(資本準備金+利益準備金)の額
次に各ケースにより分配可能額の計算上、それぞれ下記の控除額(黄色部分)を算定します。
従って、のれん等調整額の金額が大きくなるほど控除額は増加し分配可能額は減少します。
控除額ゼロ
控除額=のれん等調整額-資本等金額
控除額=その他資本剰余金+繰延資産
上記の通り、のれん等調整額がある場合、(2)及び(3)①のケースでは分配可能額の計算上控除される金額はのれん等調整額-資本等金額ですが、最ものれんの金額が大きい(3)②のケースでは、控除額はその他資本剰余金+繰延資産であり、他のケース(のれん等調整額-資本等金額)と比べ青色部分が少なくなるよう控除額が計算されます。
本当に複雑ですね。
のれんや繰延資産の大きい会社は分配可能額の計算に留意が必要です。
21/06/01
21/04/21
大阪で税理士事務所・公認会計士事務所として開業している公認会計士大里眞司事務所です。
法人は分配可能額の範囲内で剰余金の配当や自己株式の取得をすることができます。
この分配可能額の計算上、のれんや繰延資産がある場合控除する額を計算するために使用されるものが「のれん等調整額」です。
以前の商法も3つの繰延資産(開業費・開発費・試験研究費)のうち法定準備金を超える金額が配当可能利益の計算上控除されていましたが、のれんは計上できる場合が限定され資産性があるものとして控除対象にされていませんでした。
会社法では全ての繰延資産は資産性がなく、基本的には分配可能額から控除すべきという考え方です。
のれんは計上できる場合が以前より広くなり、それ自体単独では換価可能性がなく資産性があいまいで、日本では費用化されるものですので、基本的には分配可能額から控除すべきという考え方と、他方でのれんは将来の収益により回収可能な部分が含まれていることも否定できないという考え方もあり議論の末、のれん×1/2+繰延資産をのれん等調整額とし、控除額は一律ではなくケースにより算定式が異なるように落ち着いたようです。従って、会社法制定後は控除額の範囲が増加しております。
そのため、控除額のケース判定と控除額の計算は下記の通り複雑となっています。
■のれん、繰延資産がある場合の分配可能額の計算上控除する金額(会社計算規則第158条1号)
まず、のれん等調整額、資本等金額を計算します。
のれん等調整額=のれん×1/2+繰延資産
資本等金額=資本金の額+準備金(資本準備金+利益準備金)の額
次に各ケースにより分配可能額の計算上、それぞれ下記の控除額(黄色部分)を算定します。
従って、のれん等調整額の金額が大きくなるほど控除額は増加し分配可能額は減少します。
控除額ゼロ
控除額=のれん等調整額-資本等金額
控除額=のれん等調整額-資本等金額
控除額=その他資本剰余金+繰延資産
上記の通り、のれん等調整額がある場合、(2)及び(3)①のケースでは分配可能額の計算上控除される金額はのれん等調整額-資本等金額ですが、最ものれんの金額が大きい(3)②のケースでは、控除額はその他資本剰余金+繰延資産であり、他のケース(のれん等調整額-資本等金額)と比べ青色部分が少なくなるよう控除額が計算されます。
本当に複雑ですね。
のれんや繰延資産の大きい会社は分配可能額の計算に留意が必要です。
住所:〒573-1111 大阪府枚方市楠葉朝日3-11-8
TEL:072-845-4429
営業時間:9:00~18:00 定休日:土・日・祝