空家を相続した方への朗報

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空家を相続した方への朗報

2016年

2016/08/29 空家を相続した方への朗報

平成28年度税制改正により空家を相続により取得した方が平成28年4月以降当該不動産を売却した場合は一定の要件を満たせば譲渡所得の3000万円の特別控除を受けられるようになりました(被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例(措法35③)

以前は本人が居住していた住宅を売却した場合のみこの特例を受けることができ、上記のようなケースは基本的に譲渡所得に対して最低でも20.315%の税金(3000万円の譲渡所得であれば約609万円)がかかっていました。

具体的には、下記の要件を満たすことが必要ですのでご留意下さい。

 

・相続した旧耐震基準(昭和56年5月31日以前建築)の家屋を新耐震基準の家屋に改修して売却又は解体して土地のみ売却すること。

・区分所有建築物(マンションなど)でないこと。

・相続人が1人で住んでいたこと。

・相続時から譲渡時まで、居住、貸付、事業の用に供していないこと。

・譲渡は平成28年4月1日から平成31年12月31日までに行うこと。

・譲渡は相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに行うこと。

・売却額が1億円以下であること。

・一定の要件を満たす旨の確認書等を確定申告書に添付すること。

 

従って、現在、基本的に戸建て住宅に住んでいた一人暮らしの親が平成25年1月2日以後亡くなり別居していた子供が空家を相続し平成28年4月1日以後売却した場合は上記の特例を受けられる可能性が高いということになります。

但し、平成25年1月2日~12月31日までに空家を相続した方は今年(平成28年)の12月31日(あと数か月)までに売却しないとこの特例を受けることができませんのでご留意ください。

また、空家を解体して売却することを選択する場合でも不動産は売却するまでに相当期間かかることが通常ですので、早く空家を壊してしまうと住宅用地(固定資産税は200㎡まで6分の1、200㎡超は3分の1の課税標準、都市計画税は3分の1の課税標準)に該当しなくなるため毎年かかる固定資産税や都市計画税が高くなってしまいます。従って、売り先がほぼ決まってから取り壊すことも大切なポイントとなります。もちろん、売主側が家屋を解体して更地を売却する旨売却先に予め伝えて契約しておく必要があります。

尚、本特例は「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例(措法39:取得費加算)」等との選択適用となりますのでご留意ください。