平成28年4月以後高額特定資産を取得した場合の消費税に関する留意点

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平成28年4月以後高額特定資産を取得した場合の消費税に関する留意点

2016年

2016/09/15 平成28年4月以後高額特定資産を取得した場合の消費税に関する留意点

 事業者が平成28年4月1日以後、事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に高額特定資産(税抜1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産)の仕入等を行った場合、当該高額特定資産の仕入等の日の属する課税期間の翌課税期間から、当該高額特定資産の仕入等の日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度及び簡易課税制度を適用しないこととされました。

 また、自己建設高額特定資産についても上記と同様、建設等に要した仕入等の支払対価の合計額が1,000万円以上となった日の属する課税期間の翌課税期間から、当該建設等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度及び簡易課税制度を適用しないこととされました。

 これにより、高額特定資産を取得した事業年度、翌事業年度及び翌々事業年度の3期間は過去に一定の選択届出書を提出し、基準年度の課税売上高が低くても一般課税を強制適用されることになり、4事業年度目からやっと基準期間又は特定期間の課税売上高で納税義務を判定することになり、3事業年度目に簡易課税選択届出書を提出できるようになるため簡易課税適用は早くとも4事業年度目からとなりました。

 従来は、資本金1,000万円以上の法人を設立後又は課税選択届出書を提出後翌期に課税事業者になった後3期目に調整対象固定資産(税抜100万円以上の固定資産)を購入した場合は、その年度に仕入税額控除を受け、その翌期(4期目)に簡易課税を適用し、みなし仕入税率適用により実質的に二重控除できましたが、今後は適用できなくなりました。

 また、少し特殊な業界の話ですが特別目的会社(SPC)を利用したPFI事業等で、1事業年度目に高額資産(棚卸資産)を購入し仕入税額控除を受け、その翌事業年度以降にその資産を売却し簡易課税の適用を受けることにより実質的に二重控除できましたが、今後はできなくなりました。